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Lesson-succulent plants
冬から春へ 多肉植物のスイッチが入る今やること3つ
2023.03.14
ここで解決できるお悩み
○夏に枯れてしまうのが悩み。。。
○いつも下の葉が枯れて頭部分が小さくなってしまい、幹立つのが悩み
○多肉植物をたくさん増やすコツが知りたい
寒い冬が終わり、桜が咲き始める季節になりましたね。
多肉植物も春に入って成長スイッチが入ってきました。
・紅葉がさめ、株の成長点から緑色に変わってきた
・茎から小さな子株が出てきた
・葉数が増えてきた
このような変化は、成長スイッチが入ってどんどん大きくなろうとしている証拠です。
そんな成長を発見する瞬間は、多肉植物を育てる上でとてもワクワクする瞬間。
それゆえ、春はお世話が楽しい時期なのです。
そして、1年で1番成長するのも春です!
成長を促すためにやるべきお世話がいくつかありますので、
ぜひ春の早い段階にやってみましょう。
目安は3月〜5月初旬まで。
1.まずはたっぷりの水やりを!
冬は成長がゆっくりになる、又は休眠する多肉植物もあるので、水やり回数を少なめにしていた方が多かったのではないでしょうか。
春が来て真っ先にやりたい事は、底穴からしっかり流れ出る位の水やりをするという事です。水やりに関しては、梅雨に入るまでしっかり行いましょう。
根をしっかり張らせる為には、根から水分を吸収させるだけではなく、水に含まれる酸素もしっかりと届ける必要があります。そして土の中の余計な微塵を流すことも必要になります。
毎回、底穴からしっかり水が出るのを確認しながら水やりをしましょう。
雨を使って水やりするのが良い!
雨予報の日は、雨がしっかり当たる場所へ移動して雨水で水やりするのもとても良いです。雨に含まれるミネラルなどによってより丈夫な株に育てる事ができます。
自生する多肉植物は、有機物が溶け出した土からの栄養と雨からの栄養をもらっていますが、鉢で育てる場合、水道水のみではなかなか栄養をもらえる機会がありません。
そこで、肥料や活力剤を時々あげる事が大切なのですが、雨で水やりすることで天然の栄養剤を与える事が出来るため、そろそろ水やりしようかなという時に雨が降りそうなら、その雨を利用してみる事をおすすめします。
水道代の節約にもなりますし、私は家中の観葉植物も一斉に外に出して一緒に水やりしてもらっていますが、とても調子が良いなと感じています。
そして、土を完全に乾かす事がもっとも重要です。
土の中の水分が乾いてくると、根はその水分を追い求めて更に長く伸びていきます。
常に土が湿っている状態は、根は伸ばす必要がないと判断する為なかなか伸びません。根と葉は連動して大きくなるため、根が伸びなければ葉も小さいまま、大きくならないというわけです。
鉢を持ってみて軽くなり完全に乾いたかなと思ったら、あと2日ほど待ってからたっぷりの水やりをする位がちょうど良いと言われています。焦らずじっと待って、今ちょうど根っこを伸ばしてる時かなーなんて考えながらのお世話は本当に癒しの時間ですね。
2.植え替えをしましょう!
手前に植っているのはセダム属の乙女心(奥は虹の玉やハムシー)。冬に紅葉し、下葉を落としてコロンと丸く可愛い姿になっています。春にもっと増やして丈夫な株にする為、植え替えをします。
上に伸びていくタイプの多肉植物は、夏や冬の休眠期や、肥料が切れた土のままで育てていると下の葉を落とす傾向にあります。そのような頭が小さくなった株は植え替えをしましょう。
上に伸びないタイプのエケベリアなどは、鉢から土ごと株を抜いてみて、根を観察してみます。茶色くなった根がびっしりと生えている場合や、土がカチカチに固まっている場合は植え替えしましょう。
植え替えの目的
○土を新しくし、土に含まれる栄養分を根に届けさせる事。(元肥入りがおすすめ)
○もう水が吸えなくなった古い根(茶色く変色し、少し引っ張るだけでボロボロ取れる根)を取り除いて新しい根が伸びるスペースを作る事。
○植え替え時に薬を撒くことで害虫などの被害の予防になる事。
○枯葉を綺麗に取り除く事。
○大きくなったり増えた株を分けて、ちょうど良いサイズの鉢に植え替えること。
春に植え替えをすることで根がしっかりと伸び、茎などから新しく子株が出てきたり、たくさんの葉が出てきて大きくなります。
また、肥料のおかげで株がしっかりして元気になるため、夏に枯れにくくなります。
夏(梅雨入りする)前までに、根を十分に張らせて丈夫な葉にしておく事がとても重要です。
植え替えのポイント
①3月〜5月初旬までに植え替えする事。※最低気温5℃以上になる頃からが目安となります。地域によって気温差がありますので、ご注意ください。
5月中旬以降になってしまう場合は、夏越しを考えると秋まで待って植え替えした方が良いと思います。梅雨入り1ヶ月前までを目安としましょう。
②春の植え替えは、元肥入りの用土を使うか、無肥料の用土の場合は緩効性肥料を適量入れる事。
③害虫予防のための薬を必ず撒く事。
④暖かくなるとカビが生えてくる為、枯葉は綺麗に取り除く事。
⑤鉢いっぱいギュウギュウに育った株は、このタイミングで株分けするか、一回り大きい鉢に植え替える事。風通しが悪くなって虫が湧いたり蒸れる原因になるのを回避します。
ちなみに、植え替えしなくて良い株の特徴は、、、
△上に伸びるタイプの多肉植物で、株の根本から元気な葉が出ている場合。
△鉢から株を抜いてみて、まだ根が細かくて白いもの(新しい根)しか生えてない場合。
△鉢から株を抜いてみて、土の一部が根に付いていなくて鉢底に残っている場合
(理由:まだ根が底まで回っていないから)
△この春、自分で交配してタネを取りたいと思っている株
これらは、まだ根が元気に生えていて土にも余裕がある為、今回の春の植え替えは見送って良いでしょう。次の植え替えタイミングは秋になりますが、その時にもう一度確認するように覚えておきましょう。もしも土が減っている場合は、上から土を追加だけしておきましょう。
今回植え替えない場合も、防虫剤であるオルトランDXを撒くことだけは絶対にお忘れなく!
そして、交配してタネをとる予定の株も、一時的に弱い状態になる為このタイミングでの植え替えはおすすめしません。
ちなみに花やタネを作るのはとても体力が必要なので、緩効性肥料や薄くした液肥を与える事で花付きが良くなる事・体力を消耗した株が夏に枯れないようにする事が期待できます。交配しない多肉植物よりも肥料を少しだけ多めに施す事が良いとされていますので、防虫剤をまくついでに肥料も少量与えましょう。 急成長するほどの肥料はかえって枯れるリスクがありますので、あくまでも少しずつの成長が望ましい事を覚えておいてくださいね。
オススメの土・防虫剤・肥料のご紹介
○PROTOLEAF(プロトリーフ)さんのサボテン・多肉植物の土
○住友化学園芸さんの防虫・殺虫剤 オルトランDX粒剤
○花ごころさんの肥料 IBのチカラ グリーンそだちEX
多肉植物用の土は様々なメーカーさんから出ていますが、プロトリーフさんの土は育てることを重視した水もちのある配合であることが特徴。
安心してしっかり育てる(大きくする)事ができます。
元肥入りなので、植え替え時の追加の肥料は必要ありません。
※秋の植え替え時に使用する場合は、紅葉が少し遅れたり、はっきり紅葉した色にならない場合があります。綺麗に紅葉させたい場合の秋の植え替え用としては、プロトリーフさんの「粒状かる〜い培養土」をおすすめします。
オルトランDX流剤は、ブルーのパッケージの方なのでお間違えのないように。
多肉植物の大敵であるコナカイガラムシやアブラムシに効果があります。
土に少量をまき、馴染ませます。
浸透移行性の殺虫成分が根から吸収され、植物全体を害虫から守る効果があります。
植え替え時にはもちろん、しばらく植え替えていない鉢には、春に一度まく事でしっかり予防できます。
IBのチカラの特徴は、ゆっくり長く効く緩効性肥料。ほとんどの植物に使えるバランスの良い配合の肥料です。
2号鉢に1粒程度で十分です。
鉢の隅に置き、土の中へ少し押し込むとより効果が早くなります。
水やり頻度によりますが、効果が切れるまで半年ほどです。春にまくことで、秋には肥料成分が切れて紅葉に影響せずに、綺麗な紅葉の色を楽しむ事ができます。
3.増やすには葉挿しと胴切り!
春の成長期は葉挿しも絶好調です。綺麗にもぎ取った葉を土に少し挿しておくだけで、可愛い赤ちゃん多肉が顔を出します!とっても可愛い!!【エケベリア属ユートピア】
胴切りで茎からたくさんの子株を出す事も!もう少し大きくなったら茎から取り外し、ポットに植え替えて一人前の株に仕立てていきます。
葉挿しでは出にくいとされる品種も、胴切りだと出る確率が上がります。
特に葉挿しでは確率が下がる斑入りの品種は胴切りがおすすめです。
【エケベリア属サラヒメ・マカベアナ錦】
代表的な多肉植物の増やし方として、葉挿しと胴切りがあります。
胴切りは、同時に葉挿しもできるのでとてもお得な増やし方だと思います。
一度にたくさん増やしたい時は、ぜひこの時期に胴切りをおすすめします!
こちらも早めの時期にやり、梅雨前までにある程度の大きさになるように育てましょう
今日のまとめ 春になったらすぐやることは。。。
① たっぷりの水やりをしましょう。
② 必要な株はすぐに植え替えしましょう。
③防虫剤は全ての鉢にまきましょう。
④植え替えの土は元肥入りを使うか、無肥料の土や植え替えしない鉢には緩効性肥料を適量入れましょう。
⑤増やしたい株は、早いうちに葉挿しや胴切りをしましょう。
セダムも春の色に変わってきました!黄緑の新しい葉が初々しい!
こう見るとやることが盛りだくさんですね。
一年で一番忙しいのが春かもしれません。
しかし、忙しくて多肉植物を嫌になる必要はありません!
楽しんで出来ることをやって、出来ないことは後回ししても大丈夫。
それでもし失敗したとしても、また増やして育てれば良いと思っています。
自分のペースで多肉植物を楽しみましょう!