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Lesson-succulent plants

夏の育て方

2022.5.18

多肉植物は日本の梅雨と夏が苦手な植物です。
なぜなら、私たちの知る多肉植物の多くは、
メキシコ・南アフリカ・マダガスカルなどの
乾燥帯と呼ばれる地域に自生しているからです。
例えば、エケベリアなどが多く自生するメキシコの気候は、
○一年を通して穏やかな気候 
   冬の最低気温7° / 夏の最高気温25°
○降雨のピークは7〜8月 100mmほど
○冬の降水量は少なく、11〜3月は10mmほど
日本の春・秋の気候はとても合いますが、
梅雨以降の暑くてジメジメした気候にはとても弱いのです。
そこで、多肉植物が元気に夏を越せるように、
管理ポイントをまとめましたので参考にしてみてください。

夏の置き場所

梅雨・夏の高温多湿が原因で多肉植物に起こることとは…?

①高温障害

高温になり、風が止まって、多肉植物の体内に蓄えた水分が切れていると起こりやすくなります。

症状は、葉の葉緑素が抜けて一部の葉が白くなります。

また中心から新しい緑の葉が出てくるので、そのまま様子を見ます。

②土が蒸れて枯れる

雨や水やりの後、土の中にたっぷり水分が残っている状態で強い日差しが当たると、

鉢の中の濡れた土はとても熱くなってしまいます。

そうすると根がダメージを受け、 

株が突然バラバラになったり、葉が半透明に色が変わったりして、

その後枯れてしまいます。

これらの症状は、置き場所を工夫する事で起こりにくくする事ができます。 

置き場所のポイント

○雨ざらしは避け、軒下に移動させる。   

○朝日が当たり、午後からは日陰になるような場所におく。

○風がよく通る場所に置くか、扇風機を使って風を送る。  

風が当たっていれば、高温障害も蒸れる心配もほぼなくなります。風を意識して置き場所を決めましょう。

夏の水やり方法

夏は水やりが難しいと言われていますが、
ポイントさえ押さえておけば大丈夫です!
極端に水やりせずにいると、多肉植物の中の水分が少なくなりすぎて
高温障害や葉焼けを起こしやすくなります。
葉焼けとは、葉が焦げたように茶色く変色してしまう現象です。
葉焼けが原因で株が枯れる事はほぼありません。
しかし葉焼けした部分はもう元の綺麗な葉には戻りません。
ですので夏でも水分は適量あげる事が大切です。
 

ポイント1 ー水やりする日を決めるー

鉢の中の土が完全に乾いたら多肉植物を観察してみましょう。
それぞれ、鉢・土・置き場所によって乾くスピードが変わりますので
株自体の水分が十分なのか、足りなくなってきたのかを見てみます。
株を少し触って、葉がパンパンに張っていたら十分水分がある証拠です。
その場合はまだ水やりしなくて良いです。
逆に、少し張りが無くなったな、元気ないな、など
水分が足りないサインが出たら水やりしましょう。
寄せ植えの場合は、セダムやグリーンネックレスなどが先に水分を欲しがります。
それらの株がサインを出したら水やりしてくださいね。
また、茎から根が出ている時があれば(気根と言います)、土からの水分が足りなく、
空気中から取り込もうと出てきた根なので、
しっかり根元に水をあげるように気を付けてみましょう。
 

ポイント2 ー水やりの時間帯ー

水をあげるタイミングは夕方の涼しくなってきた頃。
葉の表面だけでなく、根にしっかり届くように水やりしましょう。
これから気温が上がる午前中に水やりするのはやめましょう。
 

ポイント3 ー早く乾かすー

風が当たる場所に置きます。
風があれば洗濯物も乾きやすいですよね。
それと同じく、鉢の中も乾きやすくなります。
置き場所の風通しを良くしておきましょう。
もし鉢同士が密接している場合は、少し間隔を空けましょう。
出来るだけ鉢の高さも合わせてあげると更に風通しが良くなります。
鉢の下に何かを挟んで底穴の部分を浮かせてあげるのも早く乾くコツです。
もしも無風でジメジメした日なら、水やり後は扇風機に当ててあげるのもおすすめです。
 

番外編

春の時期にしっかり水やりして、しっかり日光に当てましょう。
そうすると根を十分に張らせる事ができ、水分を蓄える力がつきます。
そうすることで、葉焼けのトラブルも、枯れる心配もグンと減ります。で