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Lesson-succulent plants

多肉植物をたくさん増やしたい
ー胴切り編ー

2022.06.17

多肉植物の増やし方、第3弾!
今回は、主にエケベリアの増やし方、そして傷んだ株の救済時に使う手法、
胴切りについてです。

エケベリア属ビショップの胴切りのその後。
カットした茎から子株が出てます。
そして更に根元からランナーで子株が出てきました。

胴切りとは?

エケベリアなどを増やすための方法の一つです。
成長点のある頭の部分を切り離すことで、根元の部分から子株を出します。
葉挿しの成功率が低い品種は特にこの胴切りで増やします。
ほとんどの品種で胴切りにより子株が出てきます。
確実に増やしたい品種があれば試してみましょう。

そして、

☆日照不足によって徒長してしまった株の仕立て直しや、
何らかの理由で茎の一部が黒く傷んでしまったような株の救済にも使います。

胴切りに適した時期は?

葉挿し・挿し木同様に根が出てきやすい時期がおすすめです。
その時期は、成長期の春と秋の初め。
夏も、水やりを少量頻繁にして風通しの良い場所に置く事ができれば大丈夫です。
冬は、寒いと根が出にくいので春まで待つと良いと思います。

もし冬に胴切りした場合は、根のない上の部分は凍傷になりやすいため、寒い日(氷点下の予報が出ている日)の夜間は室内に入れるなどの工夫をしましょう。

また、霜にも当てないように注意しましょう

☆ただし、茎の一部が黒ずんで葉が傷み始めた株は、見つけ次第すぐにカットする事が大切です。
季節関係なく、その場でカットしていきましょう。

エケベリア属 ラインベリー × 静夜 
根元に近い部分の葉が下を向いてしまっているので、その辺りでカットします。

用意するもの

①容器

鉢やプランターを用意します。(今回は、成長後もそのまま育てることを前提に、底穴の空いている容器に植えます。)

②お好きな土

なるべく細い土が入っているのが良いです。
「多肉植物用の土」や、「さし目・種まきの土」、花と野菜の培養土+鹿沼土細粒 などなど

③殺虫剤

オルトランDXやアルバリンなどの粒剤。カイガラムシやアブラムシなどの害虫予防に効果があります。多肉植物を可愛く育てるためには、必須アイテムです。

 

④増やしたい多肉植物、または仕立て直し・救済したい株

水やりした後、3日ほど経った苗が最適です。
葉がシワシワになっているような株は、水やりをして葉をふっくらさせてからカットしましょう。
*救済時は水やりせずに即カットしましょう。

胴切りに向いている品種の例 
エケベリア属:全般  
ランナーで増える品種や、元々子株がたくさん出てくる品種があり、それらは胴切りしなくてもたくさん増えてくれますよ。
ランナーで増えるタイプ・・・プロリフィカ・マクドガリーなど
子株が出やすいタイプ・・・メビナ・七福美尼・エレガンスなど

①〜④が用意できたら早速始めてみましょう!

手順1

○容器に土を入れて、その上から殺虫剤を撒く。

鉢に土を入れます。底穴が空いていたら、ネットを入れましょう。

鉢底ネットは、専用のものはもちろん、排水溝ネットや新聞紙を小さく切って入れても良いですよ。
ご自宅にあるものをお使いください!

土は、なるべく細かい土が入っているブレンド土を選んでください。
多肉植物専用の土で、時々粒が大きいもの軽石などだけがブレンドされているものもありますが、新しい根がキャッチしやすい用に、細かい土も混ぜてあげましょう。

ピートモスは細かい土の代表です。

土の上から殺虫剤を撒いて馴染ませます。

容器は2寸黒ポット。培養土+鹿沼土細粒の上からオルトランDXを撒いてます。

ポイント!

早く大きくさせたい場合は、培養土(緩効性肥料入り)をブレンドすると良いですよ。
その場合、ある程度の大きさに育ってから秋に無肥料の土で植え替えすれば、冬の紅葉を楽しむことができます。

手順2

○カットしやすい様に葉を取る。

カットする場所を作るために葉を取ります。

上から見て、きれいなロゼットが作れるくらいの葉を残し、その下の葉を一周取ります。

ポイント!

なるべく下の葉から数枚の葉を残してカットする事をおすすめします。
残された茎から新芽が出てくるのですが、葉が残っていた方がその葉の水分を使えるので失敗しにくいです。

もしも茎だけになってしまっても大丈夫!その場合、茎だけの株は水分不足で枯れてしまう事がありますので、水やりは多めにしましょう。

下の葉を残し、その上をぐるりと1周分葉を取ります。茎が見えたらOK!

10枚の葉が取れました。全て途中で切れずに綺麗に取れたら葉挿ししましょう。

手順3

○茎をカットする。

葉を取って隙間が空いた場所にハサミを入れて茎をカットします。
カットにつかうハサミはきれいなものを使いましょう。
特に、傷んだ株をカットしたハサミは消毒することをおすすめします。

茎を思い切ってカット!

このように綺麗に切れます!下の葉がこの位あれば安心です。

手順4

○カットした上の部分を土の上に置くだけ。

カット後、そのまま土に乗せましょう

ここでまた、葉挿しの為の葉を少し取っておいても良いですね。

☆黒く傷んだ株をカットした場合、黒い部分を全て除去する必要があります。
ハサミやピンセットなどを使ってカットしたり削ったりして完全にきれいな色になるまで除去していきましょう。
少しでも黒い部分が残っていると、そこからまた再発してしまう恐れがありますので注意です!
出来れば、切り口に殺菌剤をスプレーすると良いです。(ex.べニカファインスプレーなど)

土の上にそっと乗せておくだけで大丈夫です。
一つだった株が、ここからどんどん増えていきますよ!

手順5

○明るい日影で育てましょう

・上の部分:根が出るまでは明るい日影で育てましょう。
※明るい日影とは、外の日影の事。明るさは感じるけれど、直射日光下ではない場所です。
室内は徒長の原因になるのでやめましょう。
・下の部分(根元の部分):下の葉は、上の葉に遮られて日光に当たっていなかった場所になるため、明るい日影で育ててから、一週間ほど経ってから日向に移動しましょう。

手順6

○水をあげる

胴切りした日から2・3日後に水やりをしましょう。
・上の部分:水分を求めて根が出てくるので、湿度を感じられる程度の少量の水を頻回あげます。
量は土の表面が濡れる程度。乾いたらまたあげます。根が出るまではそれの繰り返しです。
成長期には1週間位で根が出てきます。苗を少し触ってみて、土にくっついているような感覚になったら、根が出てきた証拠です。
そうすると、根から水分を吸えるようになるので、水やりの量を少し増やします。
水やりをこまめにすることで、根は早く大きく育ってくれます。

そして根が成長すると、どんどん新芽も出て伸びていきます。

株がある程度大きくなったら水やりは通常の株と同様にして良いでしょう。

・下の部分(根元の部分):根元の部分は、今まで通り土の状態を見て、乾いたらたっぷりあげます。
葉がほとんど残っていない状態ですと枯れやすいので、その場合は土が乾いたらあまり時間を開けずにあげるように気をつけましょう。
カットした辺りから子株がどんどん出てきます。子株が2〜3cmほど成長したら、優しく外して個々に育てると、それぞれ急成長してくれますよ。

たくさん増えたら群生風に一種類だけで植えても良いですし、色々な品種との寄せ植えを作っても良いですよね!

楽しく増やしていきましょう!

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